北方遠信基地

絵・バイク・旅の記録

甲信越ツーリング②

 前回のあらすじ 新潟県十日町市清田山キャンプ場で一泊。

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 早朝は雨があがっていましたが、撤収作業を始めるとキャンプ場が雲に呑み込まれてしまいました。雲の中は雨が降ったりやんだり繰り返し、そもそも雨が降らなくても荷物は霧で濡れていきます。雲の中とは幻想的ですが、キャンプにはデメリットが多いですね。

 山を降り、雲を抜けたら雨もやむと思っていましたが意外にも長引き、結局90分近く雨に晒されることになりました。雨の中松代へ向かいます。長野の平野は東西が山々に挟まれて独特な景色ですね。延々続く山に雲がかかるさまはなかなかヨシ。
 川中島古戦場に到着。昨日に続き日本海側の雲から南に逃れる形で、雨は上がりました。

 甲斐から北上して侵略を図る甲斐の虎・武田信玄を、越後の龍・上杉謙信が迎え討つ。両軍は幾度もこの盆地で衝突していましたが、中でも最大の戦いとされるのがこの川中島古戦場で行われた第4次川中島合戦ということです。「松代城に控える信玄側は奇策、”啄木鳥戦法”を取り」「その策を見破った謙信は信玄側の本隊を逆に奇襲」「この川中島両雄が直接刀を交えた」という流れの第4次合戦。江戸時代に書かれた文書が元ということですがどこまで本当かわかりません。まさに現代まで語り継がれた伝説の戦いですよ。

 川中島古戦場はなだらかな丘がいくつかある平野。天気がいいので散歩する方も多いです。伝説では軍勢2万対1万3千が鶴翼の陣と車懸りの陣でぶつかったとのことですが、そのスケールの戦をするにはどれくらいの広さの平地が必要なのでしょう…。

 伝説については博物館の展示でわかりやすくご解説頂きました。

 両雄は勝ったり負けたり、そもそも第4次川中島合戦は引き分けのようですが、公園内に建てられた神社のご利益は必勝祈願でした。

 両雄の一騎討ちを象った像は迫力満点!。見る角度により主役が変わって見える面白い作です。どっちもがんばれ!
 

 次はすぐ近くの松代城へ。松代城は第4次川中島合戦で信玄側の拠点として登場した城です。

 元は海津城という名だそうで、図を見るにその名に恥じない広大な水堀を備えていたようです。平城ながら実戦的な作りをしています。千曲川の流れが当時と現在でだいぶ違うのと、特徴的な水堀の面影がないため現在の城跡を見てもイメージしづらいです。

 石垣は結構高くデカいです。本丸は南北両方の入り口が枡形になっています。

 勝手口のある再建土塁が印象的。防御力ぅ・・・。

 松代城は火災や水害に多く見舞われ、本丸御殿は1770年に本丸南西の花の丸へ移転したそうです。花の丸は防御設備も何もない郭ですが、それだけ平和な時代が続いたということでしょうね。
 松代藩真田信之から代々真田が治めました。信之公は一応関ヶ原の合戦より前に徳川方に付いているので、普代なんですね。なんとなく徳川と仲悪そうだと思ってました。

 城跡近隣にある真田邸。明治まで真田の私邸として使われた建物です。貴人の家なので立派ですね。

 庭園好き。

 真田宝物館は真田由縁の品々を展示しています。譜代大名の持ち物は豪華です。源氏物語豆本や小さい香物を詰めた小箱など、ユニークな女性の持ち物も展示されていました。女性の私物を博物館で見れるところは少ない気がします。あとは真田が家康から賜った吉光の短刀がカッコいい。

 ちなみに、城プロに登場する松代城ちゃんは茶の湯を嗜むのですが、城にも宝物館にもお茶に関する情報は特に出てこなかったのが残念です。
 
 松代城から南下して真田昌幸の城、上田城へ。

 上田城は現存する櫓と尼ヶ淵側の石垣が印象的です。尼ヶ淵とは↑の写真を取っている場所で、ちょうど撮影者が立っている場所は昔は川の底でした。

 尼ヶ淵は強力な守りですが、その浸食には苦労していたようです。何度か積み直された石垣はツギハギでいびつな感じに。

 本丸広場は特に何もなく、林とか石碑とかがあります。

 立派な櫓門。現存する櫓は有料なので入らず・・・。

 櫓門の前には神社があります。上田城は徳川の軍勢を2度下した城として見れば縁起のいい城ですが、真田幸村が負けているので神社のご利益はどうでしょう?

 幸村が上田城主であったことは無いと思いますが、神社にはめっちゃ幸村がいる。

 必勝祈願の絵馬がたくさん!みんな勝ちてえんだ。

 城跡としては珍しい、鬼門除けが施された堀。水堀の北東側が凹んでいます。上田城には他にも鬼門除けが施されているそうで、縁起意識の高い縄張りです。真田昌幸は相当に縁起を担ぐ方だったのでしょう。

 真田信之が父の形見として持っていこうとしたが、重くて動かせなかったという言い伝えの真田石。1人で動かそうとしたわけではないでしょうが・・・まあまあでっかいです。
 

 上田城を見たら急いで上田市南西にある巣栗キャンプ場へチェックイン。山奥であり、日が暮れたら絶対に暗い。そして今回はキャンプ場に1名のみのひとりソロキャンプ。不気味な小屋もある。日が暮れる前にさっさと設営し、周りで薪を拾い集めて焚き火します。こういう怖いキャンプ場では焚火をしないと心細いので・・・あと雨で濡れた靴を乾かしたい。

 設営ヨシ。
 日が暮れると案の定、キャンプ場内にいくつか蛍光灯の明かりはあるものの、まさに一寸先は真っ暗闇の暗さになりました。へんな鳥の声も聞こえて正直マジで怖い。虫も多い。
 夕食はアルミクッカーの蓋フライパンを使って、スーパーで購入した鮭の粕漬けを焼こうとしましたが、真っ黒に焦げました。以前ウィンナーを焼くのもうまく行かなかったので、クッカーで焼き物というのはあまりよくないようです。
 焚火で温もると精神も安定するので、よく眠れる気がします。③へ続く。